スペースワンダー利用の優位性について

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「スペースワンダー」はサスペンション機器の一つである。
サスペンション機器の構造は天井から吊り下げられたロープを使って運動することで運動刺激を与え、四肢体幹が連動したスムーズな動きの獲得を助けるツールとして、病院リハから生活リハ、介護予防、健康増進、選手のトレーニングまで幅広い範囲で活用されている。
国内では様々なサスペンション機器が流通しており、対象者の体重(自重)を負荷とした運動が提案され、セラピストや指導者を手助けしている。
サスペンション機器の特徴は下図に示すように、運動位置の違いやロープの長さで自由自在に負荷量を調整できることであるが、体幹の支持・安定性が低下していると運動姿勢を崩すことがあり、サポートが必要になることもあった。

「スペースワンダー」は従来のサスペンション機器の機能に加え、ゴムロープで引張される体幹ハーネスを組み合わせることにより、転倒予防、体幹筋活性化に加え、運動方向を正しく誘導できるといった新しい視点で開発されたものである。

左図に立ち上がり練習時の運動位置とサポートされる運動方向を示した。
椅子からお尻が上がりにくい対象者には、軸より後方に座る位置を設定することで重心の前方誘導プログラムが提供でき、軸の真下での運動を要求できれば、ゴム引張力を調整しながら効率的な立ち上がり練習を進めることができる。
対象者の機能に合わせた運動負荷量の調整は、体幹ハーネスからのロープで運動方向を確認してからおこなうことが大切であり、“スペースワンダー”によるデイサービス等での大人数のエクササイズでも個別に運動をする位置、ロープ長を予め設定することにより、対象者にとって最も良い運動を提供することができる。このことは他の動作にも応用可能であり、運動を行うことで対象者・介護者双方の負担軽減を目指すことができる。

医学博士/元大学理学療法学科教授 宮下智