車椅子をご利用の方で、立上りや立位保持が難しい場合、転倒リスクを考えて立つこと自体を諦めてしまうケースが、 施設などでも多く見受けられます。
歩くことを諦めていた方々にとって、“立つこと”“一歩踏み出すこと”が、自分らしく生きるためにどれほど大切なことなのか、改めて考えてみませんか?
スペースワンダーなら座位運動でも、体幹トレーニングや立ち上り訓練など、自発的な動作を促すトレーニングが安全かつ効率的に実現できます。
ゴムサスペンションを用いて広背筋や腹筋群、下肢の筋力を強化するエクササイズから、四肢をハーネスにより挙上させることで筋緊張を取り除いた状態での可動域訓練やストレッチが可能です。
また体幹部のバランス訓練や脳トレも行うことができ、立位が困難な方でも安全に総合的な機能訓練が行え、日常生活動作の向上を目的としております。
小集団の個別機能訓練用として4台設置し、当初は要介護の方のみ実施する予定でしたが、要支援の方々からも「やってみたい」というお声が多数あり、現在では全ご利用者を対象に実施しております。
上肢と下肢のどちらのエクササイズも好評ですが、全体の雰囲気で好評なのは上肢のエクササイズで、「気持ちいい」「もっとやっていたい」「これは効くね」と個人的な感想をいただけているのは下肢のエクササイズです。
指導は主に看護師や柔道整復師が行っておりますが、上肢、下肢どちらの運動も概ね1~2時間程度の研修で習得可能なため、要支援のご利用者には介護職員が指導することもあります。
Lower limb exercise
膝関節が軽度屈曲位となる高さまで挙上します。こうすることで膝関節を伸展させるとパテラセッティングの要領で内側広筋を中心に大腿四頭筋を鍛えることができます。
その他、股関節周囲筋を中心とした筋力トレーニングや可動域訓練をアクティブに行えます。特に日頃座っている時間が長く、足に浮腫がある方を中心に「気持ちいい」「軽くなったー」というお声をいただいております。
下肢の可動域に制限がある方や膝の伸展で疼痛がある方も、ハーネスの高さを調整できるため無理なくエクササイズが可能です。
●推奨強度:25cmスタンダードゴムサスペンション1本Rowing exercise
前方のフレームにゴムサスペンションを取り付け、ハンドグリップを胸のやや下程度の高さで把持します
骨盤前傾位を維持し、肩甲骨の内転運動を行うことで脊柱起立筋や菱形筋を鍛えます。高齢者の方に多い円背姿勢や肩こりの予防・改善の効果が見込めます。
●推奨強度:25㎝ハーフゴムサスペンション1本High-position hand grip exercise
グリップの高さを目線またはそれよりやや高い位置に設定し、アブドミナルクランチやツイストクランチなどで臥位からの起き上がり動作などに必要な腹筋群を鍛えることができます。
臥位で行う自重トレーニングと比較し、個々の体力に合わせ無理のない強度で行えるため、腰や首に過度な負担をかけずにエクササイズが可能です。またラットプルダウンで広背筋など背中の筋肉を鍛えることもできます。
●推奨強度:25㎝ハーフゴムサスペンション1本Mid-position hand grip exercise
グリップを肩の高さに設定し(肩関節周囲炎などで痛みのある方は低い位置に調整して行えます。)前屈運動などで離殿動作や重心移動などの訓練が行えます。
また肘関節伸展位のままゴムバンドを下に押し下げる「プレスダウン」は上腕三頭筋を中心に上肢の強化にもなり起立動作の補助となるだけでなく、腹筋群の等尺性運動にもなるおすすめの種目です。ぜひ試しに行ってみてください。
●推奨強度25㎝スタンダードゴムサスペンション1本座位エクササイズの具体例をご覧になりたい方は、座位エクササイズの参考例のページをご参照ください。